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弁護士法人心 横浜法律事務所

紛争処理機構について

  • 文責:所長 弁護士 湯沢和紘
  • 最終更新日:2023年12月22日

1 はじめに

紛争処理機構は、自動車賠償責任保険における、事故態様・過失割合の認定や、後遺障害の認定について争いがある場合、その後に裁判となった場合を除き、最終的に判断する機関です。

紛争処理機構は、自動車賠償責任保険を運営している各保険会社・共済とは独立の立場で判断し、その判断に対し、保険会社・共済は従わなければならないとされています。

2 異議申し立てとの違い

⑴ 異議申し立てについて

自動車賠償責任保険に支払を求める場合、まずは事故の相手方が契約している保険会社に支払を求めます。

その結果、「加害者側には事故に対する賠償責任がない」「後遺障害に該当するとは認められない」などの理由により、自動車賠償責任保険からの支払が受けられなかったり、被害者側の過失割合が大きいことを理由に自動車賠償責任保険からの支払金額が減額されたことに対し、被害者側で異議がある場合は、自動車賠償責任保険に対して異議を申し立てることができます。

異議の申立ては、自動車賠償責任保険における時効期間が経過するまでは、制度上はくり返し行うことができるものとされています。

⑵ 紛争処理機構について

異議申し立てがくり返し行うことができるのに対し、紛争処理機構が示した判断に対しては、さらに異議を申し立てることはできません。

紛争処理機構の判断は、自動車賠償責任保険の制度・組織における最終的な判断ということができます。

この判断に不服があり、異なる結論を得ようとするのであれば、裁判所に訴え、紛争処理機構で示された判断と異なる判断を得るしかありません。

3 紛争処理機構での審査と、裁判所での審査の違い

裁判所での審査の場合、所定の費用がかかり(訴状提出時に、請求額に応じた印紙の納付が必要です。これ以外にも裁判所に納付する費用が発生することがあります)、申立てから結論を得るまでに、複数の期日(審査の日)を経る必要があります。

このため、時間と費用がかかります。

これに対し、紛争処理機構での審査は無料であり、必要書類を提出した後は、期日の開催はなく、紛争処理機構の判断を待つだけとなっています。

裁判と比べ、費用と時間が少なくてすみます。

4 紛争処理機構への申立ての際の留意点

上記のとおり、紛争処理機構は、自動車賠償責任保険を運営する保険会社・共済とは異なる立場にて判断を示す組織である一方、紛争処理機構が示した判断を覆すためには、裁判所への訴え以外の方法がありません。

このため、紛争処理機構への申立ては、慎重に行う必要があります。

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