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弁護士法人心 横浜法律事務所

交通事故のケガのリハビリで通院した場合の賠償

  • 文責:所長 弁護士 岡安倫矢
  • 最終更新日:2025年12月10日

1 はじめに

事故によるケガ(捻挫、骨折など)に対し、一定期間、医師の診察を受けながらリハビリのための通院を続け、症状の改善を目指すことがあります。

このような場合、事故の被害者は、どのような賠償を受けることができるのかについてご説明します。

2 治療費、通院のための交通費

病院・整骨院での治療・リハビリの費用、薬剤費が治療費として請求できます。

相手方が任意保険に加入している場合、保険会社が病院、接骨院及び薬局に費用を支払うことにより、被害者が窓口での支払をせずに受診できる場合もあります。

また、通院のための交通費も請求できます。

バス・鉄道などの公共交通機関は、所定の運賃を請求することができます。

自家用車で通院する場合は、移動距離1㎞当たり15円の費用を請求することができます。

3 休業損害

⑴ 休業損害算定のための基準について

通院のためお仕事を休み、収入が減少した場合、休業損害を請求することができます。

お勤めの方は、休業損害証明書をお勤め先に作成してもらい、これに基づいて請求します。

自営業の方は、実際の収入に基づいて休業損害を請求します。

所得税の申告をされている方は、申告書に記載された収入に基づいて請求します。

⑵ 有給休暇を使用した場合

有給休暇の場合、収入の減少はありませんが、「本来は余暇などのために使う休業を、事故のため、通院のために使わざるを得なくなった(休暇の権利を侵害された)」ことを理由に、有給休暇による通院でも、休業損害を請求することができます。

これに対し、傷病休暇などのように、所定の目的のために付与される休暇で、有給の休暇を使用した場合、休業損害の請求はできません。

有給であり、かつ、「事故のために休暇の権利を侵害された」とはいえないためです。

⑶ 主婦(主夫)の方の場合

主婦(主夫)の方は、通院により家事ができなくなったことを理由として、休業損害を請求することができます。

この場合は、女子の平均賃金を基準として請求します。

4 慰謝料

リハビリ期間中、ケガによる痛みなどのほかに、通院のために時間を割かれるなど、事故による様々な不便が生じるのが一般的です。

これに対して支払われるのが慰謝料となります。

慰謝料の算定は、裁判の場合や弁護士が関与しての示談(話し合いによる解決)の場合は、リハビリの期間を含む、事故発生日から治療終了日までの期間に応じた金額を算定します。

期間が長いほど、慰謝料の金額が増えることになります。

これに対し、自賠責保険における慰謝料は、期間ではなく、通院日数に基づいた金額となります。

一部例外はありますが、裁判・弁護士が関与しての示談における慰謝料のほうが、自賠責保険における慰謝料よりも高くなります。

5 その他

ご家族に幼いお子さんがおり、通院の際に有料の保育所に預け、その費用が発生した場合、その費用を支払ってもらえることがあります。

事故のために発生した費用であること(事故が無ければ発生しなかった費用であること)と、事故が発生した場合、そのような費用が発生することが一般的と言える場合には、上記2から4以外の費用でも請求することができます。

費用を請求することができるか迷ったときは、弁護士にご相談ください。

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