後遺障害申請と症状固定の関係について教えてください。
症状固定と診断されたあと、後遺障害の申請をすることになります。
また、症状固定の時期は、賠償請求の際、賠償額を算定するのに重要な役割を持っています。
1 症状固定と後遺障害
事故によるケガ(捻挫、骨折など)に対し、その症状の改善、治癒を目指して治療が行われます。
しかし、ケガの状態によっては、治療を継続しても症状の改善が見込まれない状態となってしまうこともあります。
このような状態を症状固定といいます。
後遺障害は、治療を継続したにもかかわらず痛み、可動域制限などの状態が残り、症状の改善が見込まれないため、この症状が将来も継続するとされた状態をいいます。
症状固定は、後遺障害認定の要件の一つということができます。
また、症状固定は、治療費・ケガに対する慰謝料の請求や、後遺障害を理由とする賠償請求の際、重要な役割を持っています。
2 症状固定の時期について
けがにより、症状固定の時期が異なります。
身体の一部が欠損するようなケガ(例:片腕を切断してしまうようなケガ)であれば、切断箇所の傷が安定したときが症状固定となります。
交通事故のケガでよく見受けられるのが、頸椎捻挫・腰椎捻挫といった痛みが残るケガですが、このようなケガの場合は、痛みの程度が変わらなくなったときが症状固定となります。
多くの場合、半年程度治療を継続し、それでも症状の改善が見込まれない場合には、症状固定として、後遺障害の申請をすることになります。
3 症状固定日の判断
後遺障害申請の際、申請のための書類である後遺障害診断書を医師が作成することになりますが、診断書の記載欄の一つに、症状固定日を記載する欄があります。
多くの場合、症状固定日の欄に記載された日付が症状固定日となります。
事故の加害者は、症状固定日までの治療費、入通院慰謝料及び通院のための交通費などを賠償する義務を負っています。
このため、事故日から症状固定日までの期間が長い場合、加害者の賠償範囲が増加するため、実際の症状固定日はもっと手前の日付(例:診断書記載の症状固定日の日付が令和7年10月1日なのに対し、実際の症状固定日は同年8月1日である)を加害者が主張して争うことがあります。
この場合は、診療録などから症状の推移を確認し、症状固定の時期を検討することになります。
4 症状固定日と賠償の範囲について
治療費、入通院慰謝料(傷害慰謝料)及び通院のための交通費などは、事故日から症状固定日までの期間に発生したものが賠償対象となります。
後遺障害が認定された場合、症状固定日より後の期間は、後遺障害に対する賠償(慰謝料、逸失利益、将来介護費など)を求めることになります。
逸失利益(後遺障害のため労働能力が低下し、これにより収入が減少したことによる損害)の算定は、症状固定日(症状固定となった年)が算定期間の始期になります。
5 おわりに
後遺障害を理由とする損害賠償請求については、症状固定の時期のほか、様々な問題が発生することが多いため、弁護士にご相談ください。
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